膝関節鏡下半月板手術:当院の方針ー可能な限り半月板温存-

2019.09.19整形外科

今回は膝半月板断裂に対するクリニックの方針をお話しします。

整形外科外来が開始してから約4か月、外来にはMRIにて半月板損傷を認める患者さんがたくさんいます。

 

年齢によるもの(加齢性・変性)、スポーツによって生じたもの。その原因は患者さんの背景によって異なります。

ここでは半月板温存のためのクリニックの取り組みです。

 

半月板は一昔前は、断裂していたら切除していた時代がありました。その結果、年月を経て変形性膝関節症になる方が多くいます。

ある報告では半月板切除を行った患者さんのうち、約10年後にレントゲンで異常が見つかる割合は約3割とあります。

そのため、現在は若い年齢層では可能な限り半月板温存することが重要と考えられています。

 

半月板(内側)は血流が乏しい組織であり、断裂形態によっては縫合をしても再断裂がしやすい組織です。

そのためクリニックでは患者さん自身の血液を用いて作成したフィブリンクロットを用いて治癒しにくい断裂に対して縫合術を行います。

組織修復能を持ったフィブリンクロットが断裂部位の接着剤として機能して治癒に導きます。

 

フィブリンを用いた半月板縫合術は、簡単な手術ではないので、どこの病院でもやっているわけではありませんが、クリニックでは特に若い患者さんでは半月板を出来る限り縫合して温存したいと考えているので、今までの多くの半月板縫合術の経験を生かしてこのような手術手技を用いて治療を行っています。

 

下に半月板水平断裂を生じた症例に対してフィブリンクロットを用いた関節鏡下半月板縫合術の写真を添付します。

(赤く見えているものがフィブリンクロットです。)

 

もちろんスポーツ選手で早期復帰を希望される方に関してはこのやり方がすべてではありません。

 

一番重要なのは様々な手術治療の選択肢を提示し、患者さんが一番何を望んでいるかを確認しながら治療方針を決定することです。

スポーツ選手で早期復帰を望む方、出来るだけ半月板を残したい方など患者さんによってベストな治療法は異なります。

 

クリニックでは病状説明から治療方針の選択肢や復帰時期、リスクも含めて丁寧に説明します。

 

何かお困りのことがありましたら是非クリニックを受診してください(クリニックにはMRI完備しています。予約制です)

(錦野匠一)